学生ローンの問題点

学生ローンの利用にあたって、いくつか問題となる事柄についていくつか紹介したいと思う。
問題点は様々なものがあるので、いくつかカテゴリ分けして考えてみたいと思う。

●申し込み時の問題点
学生ローンをはじめ、消費者金融でお金を借りる場合、収入の3分の1まで制限されている。
一般の消費者金融では給料明細等を求められるが、学生の場合はこれがネックになる。
アルバイトの給料明細を持っている人は少ないからである。
しかし、学生ローンの場合は収入証明を必要とするケースは少ない。
必要要件は、1社で50万円以上貸し付ける場合や、他社も合わせて合計が100万円を超えてしまう場合に限られるからだ。
学生ローンでは対象が学生という事から、どちらも該当しないケースがほとんどなのである。
では、これの何が問題なのかという点だが、収入の申告は口頭による自己申告で済まされてしまっているという点だ。
いつか金融庁や行政が問題視するかもしれないのだ。
自己申告で済んでしまえば、ウソの申告もいとも簡単に通ってしまう。
だからといって学生に収入証明の提出を義務付ければ、事実上学生ローンは営業が成り立たなくなるだろう。
学生の借りる権利も奪われてしまう。
これが現在問われている、学生に対する総量規制の問題点である。

●未成年者の問題
学生ローンは数少ない未成年者を取り扱う貸金業者である。
むろん、未成年者を取り扱わない学生ローンもあるが。
未成年者との契約については、法律的な問題はないのだが、親の同意が必ず必要と誤解している親が多いのだ。
未成年者との契約における問題は、実は社会通念上の問題であって、法的な問題点はむしろ学生ローン側が単にリスクを負っているだけなのだ。
どういうことかというと、未成年者には取消権があり、これを行使される恐れがあるということだ。
取消権を行使されれば、債務者は返済を免れる事ができる。
そういったリスクがあるので、バイクや車のローンでは親の承諾を取っているだけにすぎないのだ。
バイクや車のローンは社会的に見て非難される事もなく、親の同意を得るのも比較的たやすいことだが、学生ローンとなるとそうはいかない。
社会的な立場も弱いし、同意を求める電話を入れたところで拒否されるのが目に見えているのだ。
これだは商売にならないし、学生からしてもたまったものではない。
借りる事もできない上、学生ローンに申し込んだ事がバレてしまい、何も良い事がない。
とてもではないが双方にとって痛手であるのだ。
学生ローンと未成年者の問題は、今後も永遠と続くテーマとなるだろう。
ただし、18才以上の選挙権が国会を通過した事で、未成年者の金銭消費貸借契約にも多少影響が出る事が予想される。
今後の動向に注目したいところである。

●延滞の問題
貸金業者からお金を借りた以上、返済をするのは当たり前の話である。
しかし、返済がおもうようにいかず、延滞となってしまうケースはよく見られる事である。
1ヶ月未満の短期的な延滞ならば問題とはならないが、これが3ヶ月以上の長期延滞となると意味合いが違ってくるのだ。
まず信用情報機関にブラック情報が登録されてしまうし、場合によっては裁判等の法的なリスクも生じるおそれがある。
法的処置は極めて深刻な問題で、給料の差し押さえや銀行口座の凍結等、かなりきついものとなる。
差し押さえについては、例えば給料の場合は生活費に必要な分などは免除され、余った分だけが対象となるが、銀行口座については全て差し押さえられてしまうので、思った以上につらいものとなる。
銀行口座を学生ローンに知られていない別の口座を作るという手もあるが、すぐに見つかってしまう可能性も高く、悪質と判断されれば一括返済を要求されるなどペナルティも覚悟しなければならない。
また、家族と同居の場合はさらに深刻である。
督促状が頻繁に送られてくる為、親にバレてしまう可能性が極めて高くなるのだ。
つまり、返済の遅延は百害あって一利なしというわけだ。
学生ローンを利用した場合、こういったリスクも念頭に入れておいた方が良いだろう。